ツルッ。バターーン!!
「いったぁぁ」とーちゃんがころんだ。4歳のゆっくんはびっくり。いつもはゆっくんが転ぶのにとーちゃんがころぶなんて。
とーちゃんの手の平とひじから血が出てる。「うわぁ」ゆっくんは不安そうな顔で「大丈夫」って聞いてみた。
とーちゃんはいたいきもちを我慢しながら「ごめんごめん。びっくりしたよね。血も出てるけど、すぐ止まるから。大丈夫だよ」とこたえた。
ゆっくんはすこしほっとした。血が出てるところをじーっと見つめて、とーちゃんの顔をのぞき込んで「いたいの?」って聞いてみた。
とーちゃんはがまんしながら「大丈夫大丈夫」って。ゆっくんはにっこりして「じゃあいこっ?」ってさきに走り出した。もともと公園に行く途中だったのだ。
とーちゃんはゆっくんの元気なうしろすがたを見て、痛いのを忘れてきた。少しだけ駆け足をしてついていく。「ちょっとまってー」と、とーちゃんが言う。いつもと反対だ。